1-3 使役の表現
ここでは「使役の表現」の演習を行います。
以下の問題に挑戦してみましょう!
問 以下の日本文を英訳してください。
8. 外国語を学ぶのにどんなに長い時間がかかるか、あなたは分かっていない。
9. 車を修理してもらうのに10万円かかった。
10. 2日前にパリに到着してすぐに、私は財布を盗まれた。
11. 子供たちに良い教育を受けさせることは、アジア全体にとっての最優先事項である。
解答・解説(その8)
8. 外国語を学ぶのにどんなに長い時間がかかるか、あなたは分かっていない。
公式
「O1(人)が〜するのにO2(時間)がかかる」 | It takes O1 O2 to do ~ |
語句
「外国語を学ぶ」 | ① learn a foreign language |
② master a foreign language |
“study” と “learn” の違いを学習しましょう。
study | 学問や教科を体系的に「勉強する」「研究する」ことを指します。最終的に身についたかどうかは問題にしません。 |
learn | 知識や技術を経験や教育を通じて「身に着け」「完全に使いこなす」ことができるようになることを指します。過程及び結果に重点があります。 |
今回は「外国語を習得する」という意味なので、”× study a foreign language” は不可です。「〜を習得する」の意味を持つ “learn / master ~” を使います。
「あなたは〜が分かっていない」 | ① you don’t know ~ |
② You don’t realize ~ |
“× You can see [find / notice / recognize] は不可です。
see ~ | 「(見て)〜が分かる」 |
find ~ | 「(経験して)〜が分かる」 |
notice ~ | 「(見て)〜に気づく」 |
recognize ~ | 「(一度あった人が)〜だと分かる」・「(一度見たものが)〜だと分かる」 |
今回の「分かる」は、「(色々考えて)〜が分かる」の意味で使っているので、これらは使えません。
解答例
・ You don’t know how long it takes to learn a foreign language.
・ You don’t realize how much time it will take to master a foreign language.
解答・解説(その9)
9. 車を修理してもらうのに10万円かかった。
公式
「車を修理してもらう」 | have(V) my car(O) repaired(p.p.) |
今回は「使役」の “have” と “get” の違いを確認しましょう。
have O p.p. | 「(相手との間にビジネスライクな関係がある場合、または相手がそれを職業にしている場合)Oを〜してもらう・Oを〜される」 |
(例) I’d like to have(V) these things(O) dry-cleaned(p.p.).
「これらの物をドライクリーニングして欲しいのですが」
→ These things are dry-cleaned.(受け身の関係)が成り立ちます。
get O p.p. | 「(時間と労力を要することについて)Oを〜してもらう」 |
(例) Get(V) the curtains(O) washed(p.p.).
「カーテンを洗ってもらいなさい」
→ The curtains are washed.(受け身の関係)が成り立ちます。
* have は「(金銭などを媒介として)権限をすでに持っている → 〜させる・〜してもらう」、get は「なんとかして〜してもらう(説得・困難・苦労)」を思い出そう!
語句
「〜を修理する」 | ① repair ~ / fix ~ |
② mend ~ |
「修理する」の使い分けを学習しましょう。
repair ~ (やや堅い) fix ~ | 車や機械類(→ car / roof / road / bridge / TVなど)複雑で技術を要する修理をする場合に使います。 |
mend ~ | (英用法)では布製品以外の場合にも使えます。 (米用法)では主に布製品(→ shirt / trousers / dress / sheet / rug)の穴・破れなどの簡単な修理をする場合に使います。 |
・ repair a flat tire 「パンクしたタイヤを修理する」
・ repair the road 「道路を補修する」
= mend the road(英用法)
・ fix a watch 「時計を修理する」
・ mend my torn shirt 「私の破れたシャツを繕(つくろ)う・直す」
・ mend a puncture 「パンクを修理する」(英用法)
「10万円」 | ① hundred thousand yen |
② 100,000 yen |
「O1(人)が〜するのにO2(費用)がかかる」 | It cost O1 O2 to do ~ |
解答例
・ It cost me a hundred thousand yen to have my car repaired.
・ I had to pay 100,000 yen for the repairs on my car.
解答・解説(その10)
10. 2日前にパリに到着してすぐに、私は財布を盗まれた。
公式
「財布を盗まれる」 | have(V) one’s wallet(O) stolen(p.p.) |
今回は「被害」の “have” と “get” の違いを確認しましょう。
have O p.p. | 「(犯罪・被害などによる被害を表して)O(自分の物)を〜される」 |
(例) I had(V) my house(O) badly damaged(p.p.) by the typhoon.
「私の家は台風でひどい被害を受けました」
→ My house were badly damaged.(受け身の関係)が成り立ちます。
get O p.p. | 「(Sに何らかの責任がある場合に)O(自分の物・体の一部)を〜される」 |
(例)I got(V) my bag(O) caught(p.p.) in the train doors as they were closing.
「電車の扉が閉まる時に私はカバンを挟まれた」
→ My bag was caught.(受け身の関係)が成り立ちます。
* have は「(犯罪・被害の)状況をすでに持っている → 〜に巻き込まれる」、get は「自らの意志で〜を手に入れる」を思い出そう!
語句
「パリに到着する」 | arrive in Paris |
「〜するとすぐに」 | ① as soon as SVO |
② shortly after SVO | |
③ on[upon] (one’s) arrival | |
④ on -ing |
「財布」 | one’s wallet |
解答例
・ I had my wallet stolen as soon as I arrived in Paris two days ago.
・ My wallet was stolen on arrival in Paris two days ago.
解答・解説(その11)
11. 子供たちに良い教育を受けさせることは、アジア全体にとっての最優先事項である。
公式
「子どもたちに良い教育を受けさせる」 | |
① give(V) children(O1) a good education(O2) | |
② enable(V) children(O) to get a good education(to do O’) | |
③ make(V) it(O) possible(C) for children to get a good education(for S’ to do) |
語句
「アジア全体」 | ① Asia as a whole |
② all Asian countries | |
③ all (of) Asia | |
④ the whole of Asia |
「最優先事項」 | ① the top[first / highest] priority |
② the most important thing | |
③ most important |
解答例
・Giving children a good education is the top priority for Asia as a whole.
・ Enabling children to get a good education is most important for all Asia countries.
・ It is the top priority for the whole of Asia to give children a good education.