英作文演習

英作文演習 1-3

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1-3 使役の表現

ここでは「使役の表現」の演習を行います。

以下の問題に挑戦してみましょう!

使役の表現

問 以下の日本文を英訳してください。

8. 外国語を学ぶのにどんなに長い時間がかかるか、あなたは分かっていない。

9. 車を修理してもらうのに10万円かかった。

10. 2日前にパリに到着してすぐに、私は財布を盗まれた。

11. 子供たちに良い教育を受けさせることは、アジア全体にとっての最優先事項である。

 

 

解答・解説(その8)

8. 外国語を学ぶのにどんなに長い時間がかかるか、あなたは分かっていない。

 

公式

「O1(人)が〜するのにO2(時間)がかかるIt takes O1 O2 to do ~

“take O1 O2” で「O1(人)がO2(時間・労力など)を必要とする・かかる」の意味です。

上の表現は、It が仮の主語(形式主語)で to do ~ が本当の主語になります。
「外国語を学ぶのにどんなに長い時間がかかるか」は「あなたを含めた一般の人」を指すので、O1(人)は省略します。

O1(人)は「文脈で誰を指すか分かる場合」や「一般の人」を表すときは省略することが多いです。

 

語句

「外国語を学ぶlearn a foreign language
master a foreign language


「あなたは〜が分かっていない」① you don’t know ~
② You don’t realize ~

 “realize ~”は「(色々考えた結果)〜が分かる」の意味です。
“× You can’t tell how long …” は不可です。

“can’t tell + wh-節” は “can’t measure”, “can’t judge”の意味で、より個人的な事柄 に用います。今回のような 一般論的な話 には用いません。

(例) How could you tell (that) it’s me? 
「どうして私だと分かったの」 【Genius 5th】

(例) I could tell by looking at you what happened.
「君を見て何が起こったか分かった」 【Widsom】


“× You can see [find / notice / recognize] は不可です。

see ~「(見て)〜が分かる」
find ~「(経験して)〜が分かる」
notice ~「(見て)〜に気づく」
recognize ~「(一度あった人が)〜だと分かる」・「(一度見たものが)〜だと分かる」

今回の「分かる」は、「(色々考えて)〜が分かる」の意味で使っているので、これらは使えません。

 

 

解答例

・ You don’t know how long it takes to learn a foreign language.

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“× how long does it take” は不可です。今回は目的語として使うので、間接疑問文の語順にします。
“how long will it be before ~” は「〜まで、あとどれくらいありますか」の意味です。この表現は「あとどれくらい待てば良いか」という状況で使います。

(例)How long will it be before the next train arrives?
「次の列車が到着するまでどれくらいありますか

= How long do I have to wait before the next train arrives?

・ You don’t realize how much time it will take to master a foreign language.

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realize ~” は「(色々考えた結果)〜が分かる」の意味です。
この問題では “how much time“「どれくらいの時間が〜か」の代わりに “how many years”「何年〜か」も可です。

 

解答・解説(その9)

9. 車を修理してもらうのに10万円かかった。

 

公式

「車を修理してもらう」have(V) my car(O) repaired(p.p.)

have O p.p. と get O p.p. の違い

今回は「使役」の “have” と “get” の違いを確認しましょう。

have O p.p.「(相手との間にビジネスライクな関係がある場合、または相手がそれを職業にしている場合)Oを〜してもらう・Oを〜される」

(例) I’d like to have(V) these things(O) dry-cleaned(p.p.).
「これらの物をドライクリーニングして欲しいのですが」
→ These things are dry-cleaned.(受け身の関係)が成り立ちます。

 

get O p.p.「(時間と労力を要することについて)Oを〜してもらう」

(例) Get(V) the curtains(O) washed(p.p.).
「カーテンを洗ってもらいなさい」
→ The curtains are washed.(受け身の関係)が成り立ちます。

 

* have は「(金銭などを媒介として)権限をすでに持っている → 〜させる・〜してもらう」、get は「なんとかして〜してもらう(説得・困難・苦労)」を思い出そう!

 

語句

「〜を修理する」① repair ~ / fix ~
② mend ~

「10万円」① hundred thousand yen
② 100,000 yen

“hundred”, “thousand”, “million” は 数詞または数量形容詞を伴うときは “-s” をつけません。

(例) two hundred「200」・several thousand「数千」

→ 「英語表現 1-2 の 7.」 でも触れました。

「O1(人)が〜するのにO2(費用)がかかる」It cost O1 O2 to do ~

“cost O1 O2” で「O1(人)にO2(金額・費用)がかかる」の意味です。

上の表現は、It が仮の主語(形式主語)で to do ~ が本当の主語になります。
cost の活用

cost – cost – cost – costing(A-A-A型)
“spend ~” は「(金)を〜に使う」の意味です。

(例)spend 100,000$ for a new car 「新車に10万ドルを支払う

for だと目的、on だと対象が強調されます。

 

 

解答例

・ It cost me a hundred thousand yen to have my car repaired.

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cost(V) me(O1) a hundred thousand yen(O2)”  で「私に10万円の費用がかかかった」の意味になります
have(V) my car(O) repaired(p.p.)” で「車を修理してもらう」の意味になります。

repair my car” だと「自分で修理した」の意味になってしまいます。

・ I had to pay 100,000 yen for the repairs on my car.

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pay A for B” だと「A(金)をB(物・事)に対して支払う」「A(人)にB(物・事)の代金を支払う」の意味になります。

・ I paid 5,000,000 yen for this car.
「この車を買うのに500万円払いました」

・ I’ll pay you for the damage.
「損害分は私が支払います」【Wisdom】

pay は 支払う金 を目的語に取ります。交換する物・事を表すときは for が必要です。
repair on ~” で「〜の修理・リペア」の意味です。

 

 

解答・解説(その10)

10. 2日前にパリに到着してすぐに、私は財布を盗まれた。

 

公式

「財布を盗まれる」have(V) one’s wallet(O) stolen(p.p.)

have O p.p. と get O p.p. の違い

今回は「被害」の “have” と “get” の違いを確認しましょう。

have O p.p.「(犯罪・被害などによる被害を表して)O(自分の物)を〜される」

(例) I had(V) my house(O) badly damaged(p.p.) by the typhoon.
「私の家は台風でひどい被害を受けました」
→ My house were badly damaged.(受け身の関係)が成り立ちます。

 

get O p.p.「(Sに何らかの責任がある場合に)O(自分の物・体の一部)を〜される」

(例)I  got(V) my bag(O) caught(p.p.) in the train doors as they were closing.
「電車の扉が閉まる時に私はカバンを挟まれた」
→ My bag was caught.(受け身の関係)が成り立ちます。

 

* have は「(犯罪・被害の)状況をすでに持っている → 〜に巻き込まれる」、get は「自らの意志で〜を手に入れる」を思い出そう!

 

語句

「パリに到着する」arrive in Paris

“arrive at Paris” は不可です。

→ ”at” は地図上の点を指しながら話をするような場合に使います。

→ 今回は自分がパリに着いた時の話をしています。場面が頭に浮かび、臨場感(=空間)が感じられるときは “in” を使います。

立体感が感じられるときは “in” を使う」と覚えておいてください。

「〜するとすぐに」① as soon as SVO
② shortly after SVO
③ on[upon] (one’s) arrival
④ on -ing

“the moment / the minute / the instant SVO” だと間髪を入れずにというニュアンスが強くなるので △ です。

「財布」one’s wallet

“purse” はアメリカ英語では「女性用ハンドバッグ」の意味です。

イギリス英語では「(女性がハンドバッグに入れている)小銭入れ」の意味になります。

 

解答例

・ I had my wallet stolen as soon as I arrived in Paris two days ago.


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had my wallet stolen” は被害を受けた人が主語になる点に注意しましょう。
× I(S) had stolen(V) my wallet(O).” だと「私は(自分で)自分の財布を盗んだ」という意味になります。
“I got my wallet stolen.” は不可です。

→ 「他人によって被害を受ける場合」は “have” を用います。

・ My wallet was stolen on arrival in Paris two days ago.


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“S was stolen” は盗まれた物が主語になる点に注意しましょう。
on[upon] (one’s) arrival” は「到着時に・着くとすぐに・着き次第」の意味です。

 

解答・解説(その11)

11. 子供たちに良い教育を受けさせることは、アジア全体にとっての最優先事項である。

 

 

公式

「子どもたちに良い教育を受けさせる」
give(V) children(O1) a good education(O2)
enable(V) children(O) to get a good education(to do O’)
make(V) it(O) possible(C) for children to get a good education(for S’ to do)

② “enable O to do ~” は「Oが〜するのを可能にする」の意味です。
③ “make it possible for S’ to do ~” は「S’が〜することを可能にする」の意味です。
× Let children get a good education” は不可です。

使役動詞 “let” は「〜を許可しない・〜を阻止しない」という意味での「Oに〜させる」の意味です。この問題文のように「努力して〜を実現する」という意味では使えません。

 

語句

「アジア全体」① Asia as a whole
② all Asian countries
③ all (of) Asia
④ the whole of Asia

“①名詞 as a whole” は「〜全体」の意味です。
② all 名詞 や ③ all (of) the[one’s] 名詞 は個々の要素を考えながら全体を表す時の表現です。

一方、”the whole 名詞” は全体を1つのまとまりとして考える時の表現です。
“④ the whole of 抽象名詞・固有名詞” は「〜全体・〜全部」の意味です。

「国」や「地域全体」など固有名詞を表す場合は “× whole Asia” ではなく、” the whole of Asia” と表現します。

「最優先事項」① the top[first / highest] priority
② the most important thing
③ most important

“① priority” は「優先事項」の意味です。

“priority” は可算名詞です。
「優先順位が高い事項」は “a high priority”

「優先順位が低い事項」は “a low priority” と表現します

 

解答例

Giving children a good education is the top priority for Asia as a whole.


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giving children a good education” 「子供に良い教育を与えること」は動名詞で主語の働きをしています。
for Asia as a whole” 「アジア全体にとっての」は形容詞の働きをしています。

直前の “the top priority” にかかっています。

 

Enabling children to get a good education is most important for all Asia countries.


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enable O to do ~” 「Oが〜するのを可能にする」を使いました。
最上級 “most important” に “the” は必要ありません。

定冠詞 “the” は「後ろに名詞が続く」という印なので、(後ろに名詞が続かない)形容詞の最上級に “the” は必要ありません

for all Asia countries” 「アジア全体にとって・全てのアジアの国々にとって」は副詞の働きをしています。

直前の “most important” にかかっています。

 

It is the top priority for the whole of Asia to give children a good education.


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“It is C for S’ to do -” で「S’が〜することはCである」の意味です。

for the whole of Asia to give children a good education” で「アジア全体子供たちに良い教育を受けさせること」の意味になります。

不定詞 to do ~ の前の “for S'” のことを「不定詞の意味上の主語」と言います。